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一糸万考

<いっし ばんこう isshi bankou>

・・・一本の糸から紡ぎ出される無限の思考・・・

2019

8.6 火

疲れた。そんなに神経を使ったのかと思うほどに疲れた。個展終了後の2,3日は眠くて仕方がなかった。今は次に向けて意識が働き始めている。個展一週間のあれこれが浮かんでくる。約100名の方々との様々の交流。何とありがたいことか。私は「小器晩成」の人間だと決めている。展覧会ではいつものことだが、感性の世界は理解することではなく感動すること、理解しようとすると分からないという言葉が出てくる。感じないということと分からないということは同じではないだろう。

会期中のある日、個展会場で、親しく話せる方から「あなたは硬いわよ」と言われ「美は乱調にあり よ。忘れないでね」と言われた。5時間余り そのひとは個展会場で過ごして作品と対話を楽しんで帰られた。「移山さんフワフワしているからついつい話しちゃうのよね」。フワフワというのは悪い言葉ではないらしい。そのひとは凛とした心を持っておられる。

2015

9.10 木

元気な七海ちゃんと神山三姉弟が、きょうもやってきた。言いたいことを活発に言う七海ちゃんは、自分をしっかり持っている。自分を持っていると、それにとらわれて、融通の利かない場合もある。そこが注意点だ。神山凛ちゃんは面倒見の良いお姉さん。きょう、こんな話があった。私の教室では、ひらがなカタカナの字源ーひらがなは楷書・行書・草書・かなと変化していく過程ーを学んでいる。ただ字が上手ということだけでは文化の継承にはならないからだ。なぜそうなっていくのかを考えることが大事だ。どこにでも歴史がある。いつも私はそう話し、テキストもそのために作っているし、お姉さんの凛ちゃんは、それをしっかり理解している。こんな話というのは、その力を、学校で、遺憾なく発揮した時の学校の先生のリアクションだった。初心舎で学んでいるゆえに正しい答えを出した凛ちゃんが、教科書を見て答えたと思い、それはいけない、と先生は言ったという。子供に、そんなことがわかるはずがない、という先入観からの言葉だった。凛ちゃんは、筆遣いがわからないクラスの友達に、筆遣いを教えて、友達がうまく書けるようになった、という話も私にしてくれた。よく言われていることだが、どうも学校の考え方では、真に優秀な子は生まれない。

そういえば同様のことが以前にもあった。

有花ちゃんという女の子が、夏休みの課題を私の教室で書き上げたことがあった。大人顔負けの立派な半紙作品ができた。学校へ提出した。先生もクラスの友達も、こんなうまい字は子供に書けるはずはない、と思った。誰かに書いてもらったのだろう、と皆に思われた。有花ちゃんのおじいさんが立腹した。当然のことだ。学校の先生に談判に行った。私は現場で指導しているから、本人直筆であることを証明できる。有花ちゃんは、一時、私の教室に来なくなった。

子供にできるはずがない・・・なんと傲慢な恥ずかしい言葉であろうか。子供の可能性を開く道筋をつけさえすれば、子供は素晴らしい力を発揮する。それがわからずに先生をやる資格はない。資格のない先生に資格を与える。形質でいえばそれは形式的な資格だ。

2.14 土

一人  ひとり  一人  そこから すべては はじまる  一人  一人  一人  そこから すべては はじまる

2.13 金

大事な人の命日。祈りの日であった。祈りは三世に通じると信じる。君といつまでも・・・。

2012.12.30

混沌のなか越年 混沌は再生の場であり 再生には明確な目標が必要不可欠だ目的が確立してこそ 手段方法が生まれるのは当りまえのことだ
習字と書道は違うと声高に言ってみても その価値を実感する人は稀だ 文字が大事か心が大事かと問うてみても 反応は同じだろう とてもうまい字を書くずるい人 下手な字を書く実直な人 賢人とはいかなる人か 愚人とは・・・お前は どうだ と 己に問う

12.31

平成は明日から25年目に入る 現実は平成どころの話ではない 文化力は人間力の異名でもある 武が優先すると 人間力は負の効果をもたらす

 2013.1.1

夜明け
私は66~67歳
何一つ満足するものはなく 納得する自分はいない
小さなちいさな私という宇宙 見つめる深さを必要としているだけ
可能性はある

   1.2

山本周五郎の小説をなぜか手に取った 「つゆのひぬま」を読み始めた 今年まずは 久しぶりに周五郎さんの世界に入ろう
江戸は私のキーワードのひとつだ チェコから便りが2便 ひとつはホケシュさんからカード もう一つはシュテファンからメール
生活と闘うシュテファン 幸を祈る

   1.3

友人とじっくり対話する 毎年恒例だが 今年はそれが3日になった 忌憚のない話が続く 生きることは活かすこと 友情は宝である
話を聞いてるとゴーギャンとかゴッホの生き方みたいな話だな と友は言った 俺はどちらかというと 良寛の昼行灯タイプかも

   1.4

誰かが誰かを求めている 必要としている 縁起とはまことに不思議なものだ お金がないから 見えるものもたくさんある
貧而楽は確か論語だったか チェコのダリア女史からメールが届いた 「混沌だから楽しく・・・」と
NASAの物理学博士ギンさんの仕事もプラハのレストラン「雅」も順調 二人の相思相愛も順調 いいことだ
負を背負い続けるから 深いもの大きいもの高いものが生まれる 私の心はいつもそう叫んでいるようだ
小さい心と大きな観念か 理想に勝つか負けるか 名目成長は経済の問題ばかりではないだろう
実質経済が成長しなければ内実が伴わず恐い 人間や芸術にも言えることか 永遠の課題のひとつか

   1.16

今年は「おごらずにいきたい」と門人が言った 私は仏典の確か「五欲」ということばを思い出して説明 みな得心した
凡夫の心に仏性は内在する その考え方を私は信じる 

「社会に先生の作品を認知させるために私がいる」「私が良いというのだから絶対に間違いない」 

Kさんは私の作品を評価し確信をもって言い切った

この有難い一言が 私の根底を支え続けている 今も・・・これからも・・・ずっと

   1.21

唯我独尊で言うのではない 現今日本の文字教育は 人格形成にほとんど寄与していない
そもそも文字教育の意味と価値を 学校教育の現場が理解しているか 自国の文字学習の価値を正当評価できているか
「習字」だけでは肝心に進めない 「書道」と「習字」の違いが先生方に分かるのだろうか?

 

1.23

大事な人の大事な展覧会が始まった
見事な花道である
思いは深い
心は永遠だ

   2.13

大事な人が永遠の眠りに
だが 
光が消えることはない
合掌

 

8.16

書は何のためにあるのか
そういうことを大真面目生真面目に考えている
一隅を照らす ということ

 

9.22

画廊宮坂個展を終えた
ホッとし納得し反省しながら新しい展開を見つめる
鎮魂の展覧会が続く
自分の中にあって見えないものとの対話
限りなくつづく道だ

 

11.5

毀誉褒貶は人の常である
一人で行く道は孤独である
孤独を味わい続けるのは己自身である
この道が
何処に 何に つながるのかは
誰にも分からない

 

11.24

書を楽しんだり学んだりする真の意味を理解したなら
得することこの上ないのだが
そこまでの必要に思いいたる心を持っているかどうかは個々人の問題
持っていてもいなくても
価値判断を必要とする心があれば必ず分かってくると思う
書はかなりの精神性の高さが問われるものだが
現在の文字教育ではとてもとてもおぼつかない
右よりの次元ではないが
漢文の素読でもやらせれば良い
英語教育もいいが
そのほうがもっと良い学びになる